[はじめにのはじめに1]の続き
豊島
なん?どしたと?
アッコさん
社長、矢野ちゃんが友達から『なんで新築戸建ては両手取引で双方が不動産屋に手数料を支払うのか』って聞かれたらしいんです
豊島
なるほど。矢野ちゃんはそれについてどう答えたの?
矢野ちゃん
いやぁ…正直私もこの業界に入って、『そんなもの』と言われながらこれまできましたけど、内心モヤッとはしてたんですよ…普通、紹介手数料って片一方にしか払わないのに、どうして不動産は両方からもらえるのかな、と…まぁそれが私たちの売上になってるんで矛盾してはいるんですが…
ナミさん
まぁ確かに、今のオーナーAさんがいて、そこに住みたいBさんがいて、AさんもBさんも、不動産屋に手数料を支払いますもんね、ここを同じ不動産屋が担当すると双方から手数料をもらえるから、広く物件を紹介したがらない、みたいな話も聞きます。それってAさんからしたら、確かに売っては欲しいけど、Bさんより良い条件で買ってくれる可能性のあるCさんとはめぐりあえないってことにもなりますよね…それって不動産屋は結局どちらの味方になるんだろう?っていう利益相反行為にもなりかねないなと前から疑問ではありました
豊島
不動産会社は、お客様に不動産物件をご紹介し、その契約を取りまとめることにより、仲介手数料を報酬としていただいています。
現に、僕たちもお客様から頂戴する仲介手数料で会社を運営しとるし、生活もしとるよね。
ただ、仲介手数料は、法律で上限が決まっとんよ(物件価格の3%+6万円)。
ということは、不動産会社がより多く報酬を得るためには、より契約件数を増やすしかないんよね~。
ただ、そう簡単には件数って増えんやろ?
そこで、何とか契約件数を増やそうと考えた結果、不動産業界が生み出した方法。それが両手仲介なんよね。
現に、僕たちもお客様から頂戴する仲介手数料で会社を運営しとるし、生活もしとるよね。
ただ、仲介手数料は、法律で上限が決まっとんよ(物件価格の3%+6万円)。
ということは、不動産会社がより多く報酬を得るためには、より契約件数を増やすしかないんよね~。
ただ、そう簡単には件数って増えんやろ?
そこで、何とか契約件数を増やそうと考えた結果、不動産業界が生み出した方法。それが両手仲介なんよね。
矢野ちゃん
ちなみに私の友人は、『Aさんが不動産屋に依頼して営業して、私たちが買うんだから、私たちからも手数料とらなくてもいいんじゃないの?って思った』と言っていて、確かにBさんからはもらわなくてもいいとなると、決して安い手数料じゃないからBさんは助かりますし、その分ほかのことにお金をかけられるから、いいことづくめじゃないかなと思いました
豊島
まぁ、手数料が半分になると考えるとみんなが幸せなわけでもないけど(笑)、確かに片手いただければ十分事業としては成立するんよね。よし、じゃあそこをちょっと考えて新しいサービスを考えてみようか
豊島は内心、「痛いところを突かれた」と思った。そして両手片手問題は、自分がサラリーマン時代から心のどこかに引っかかっていた問題でもあり、経営者としてはここにメスを入れるのは腹が痛むが、同時にこうした本質的なことに向き合い、例え一時期売り上げが下がったとしても、中長期的に考えて喜んでくれるオーナーとの出逢いが増えるのであれば、そのほうが独立して「やりたいと思っていたこと」に近づくと覚悟した。
痛みながらも、そんな社員が集ってくれたことを心から嬉しいと思えた瞬間だった。